畜産酪農部の取組み

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令和5年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大から3年が経過し、大型連休が明けた5月8日に、ようやく感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。「ウィズコロナ」から、いわゆる「アフターコロナ」への転換期となり、人々の生活はコロナ禍以前のように戻りつつあるなかでイベントや集会も徐々に再開され、観光地では国内外の観光客が訪れ、活気づいています。

一方、ロシア・ウクライナ情勢の影響や為替相場の円安により、生活必需品や電気料金、燃料等の値上げが度重なったことにより、消費者の節約志向は高まり、消費者マインドは冷え込みを見せています。

畜産酪農の生産現場では、粗飼料・穀物の高騰、海上運賃の増嵩、円安等により飼料代金の値上げが続き、生産コスト増大による農家経営を圧迫しています。依然として、ロシア・ウクライナ情勢の収束は先が見えず、世界的な穀物需給の混乱は今後も飼料価格に大きく影響することが懸念されています。

国の政策として、配合飼料価格安定基金の発動基準を特例的に緩和し、補てん金を交付しやすくすることや、県単位では飼料高騰対策などが打ち出されてきましたが、生産コスト増嵩分を全てカバーするまでには至らず、生産者の不安は払拭されておりません。

また、国内においても鳥インフルエンザが猛威を振るい、過去最多の26道県、84事例発生し、約1,771万羽が殺処分されたことにより鶏卵需給が逼迫しました。豚熱については、5県、9事例発生し、約7.5万頭が殺処分されるなど、農場における飼料衛生管理基準の徹底が一層求められました。

このような状況の中、令和5年度、畜産酪農部は、補完的な生産により数量確保を図りながら、信州産ブランドの販促強化等、有利販売の仕組みを維持強化し、農家所得の確保を目指して生産基盤の維持が図れるよう、次に掲げる具体策をもって事業に取り組みます。

生産基盤維持と販売数量の確保

(1)受精卵移植頭数の拡大によるET和牛子牛確保

(2)長野県中央家畜市場のEBL自主検査結果公表による市場活性化

(3)緊急対策事業の周知および県行政との協議

(4)搾乳頭数の確保と乳質改善対策

(5)県本部推奨施策等による生産基盤の維持確保

信州産ブランドの販売強化と生産性向上による農業所得の増大

(1)信州産ブランド畜産品の県内外での販売促進強化および信州プレミアム牛肉の輸出拡大に向けた販売会社との販売取り組み強化

(2)関係機関・関連会社と連携した乳質改善、ポジティブリスト全戸巡回の実施

(3)生産性向上巡回の継続実施および販売促進の取り組み強化

(4)畜産・酪農情勢について理解情勢運動の継続的な取り組み

(5)ET和牛子牛の生産と販売推進による副収入の確保

県本部生産農場の機能充実と経営の安定

(1)三岳牧場:安定的な子牛供給、預託頭数の維持拡大、ET事業の推進

(2)八ヶ岳牧場:生産性向上による生乳出荷量の確保、搾乳頭数維持による信州産生乳の確保

(3)SPF豚繁殖センター:繁殖成績向上による販売子豚頭数の確保と優良子豚の産出

地域畜産酪農営農センターの機能強化

(1)営農技術員の資質向上によるセンター機能強化

(2)地域畜産酪農営農センター運営体制の継続協議

県内食肉処理施設に関する協議

(1)食肉処理施設の代替候補地に関する県行政および関係機関との協議

P2_畜産酪農部.jpg

街頭での畜産・酪農の理解情勢運動

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