令和6年度 畜産酪農部の取組み

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新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に移行されてから1年が経過しました。全国各地でイベントや集会が盛んに開催され、観光名所には国内外の観光客が訪れており、インバウンド効果とともに一部地域ではオーバーツーリズムといわれるほど人出で賑わいをみせています。

一方、ロシア・ウクライナ情勢の影響や為替相場の円安により、生活必需品や電気料金、燃料代等の高騰が続き、消費者の節約志向は依然として強く、消費マインドは上向かない状況です。

畜産酪農の生産現場では、粗飼料・穀物の高騰、海上運賃の高騰、人件費および水道光熱費等、生産コストの増高が農家経営を圧迫しています。ロシア・ウクライナ情勢の終息は未だ先が見えないうえ、中国での需要増加もあり、世界的な穀物需給の混乱は今後も飼料価格に大きく影響することが懸念されています。また、配合飼料価格の高値続きにより、配合飼料安定基金の発動も厳しく、生産者の不安は払拭されておりません。

このような状況の中、令和6年度、畜産酪農部は補完的な生産により数量確保を図りながら、信州産ブランドの販促強化等、有利販売の仕組みを維持強化し、農家所得の確保を目指して生産基盤の維持が図れるよう、次に掲げる具体策をもって事業に取り組みます。

生産基盤維持と販売数量の確保

  1. 受精卵移植頭数の拡大によるET(※1)和牛子牛確保
  2. 新規事業OPU(※2)による有料受精卵の確保と農家経費削減
  3. 長野県中央家畜市場のEBL(※3)自主検査結果公表による市場活性化
  4. 搾乳頭数の確保と乳質改善対策
  5. 県本部奨励施策による生産基盤の維持確保

信州産ブランドの販売強化と生産性向上による農業所得の増大

  1. 信州産ブランド畜産品の県内外での販売促進強化および信州プレミアム牛肉の輸出拡大に向けた市場・買参人・販売会社との取組み強化
  2. 関係機関と連携した乳質改善、ポジティブリスト全戸巡回の実施
  3. 生産性向上巡回の継続実施および販売促進の取組み強化
  4. 畜産・酪農情勢についての理解醸成運動の継続的な取組み
  5. ET和牛子牛の生産と販売促進による副収入の確保

県本部生産農場の機能充実と経営の安定

  1. 三岳牧場/安定的な子牛供給、預託頭数の拡大、ET、OPU事業推進
  2. 八ヶ岳牧場/生産性向上による生乳出荷量の確保、搾乳頭数増加による信州産生乳の確保、教育ファームによる酪農理解醸成活動の強化
  3. SPF豚繁殖センター/販売子豚頭数の確保と優良子豚の産出による県内SPF豚事業の拡大

地域畜産酪農営農センターの機能強化

  1. 営農技術員の資質向上によるセンター機能強化
  2. 地域畜産酪農営農センター運営体制の継続協議

県内食肉処理施設に関する協議

  1. 移転候補地に関する住民説明、行政機関およびj関係機関との協議
  2. 新設建設に向けた食肉流通体制の整備

※1 ET=受精卵移植
※2 OPU=経膣採卵
※3 EBL=牛伝染性リンパ腫

webP1_畜産酪農部.JPG
街頭での畜産・酪農の理解醸成運動

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