生産販売部 果実花き課の取組み

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果実事業の進捗状況

果実生産販売経過

本県の令和6年度産果実の生産は、春先から大きな天候災害もなく、十分な着果量が見込まれる中でスタートしました。夏場の高温や局地的な大海など気象変動は激しく病害虫の発生による減収もありましたが、全体では前年を上回る出荷見通しになっています。

一方、昨年度の数量減により果実売場の縮小が懸念されたため、本年は十分な数量見通しから事前情報の強化による売場確保対策、店頭での消費宣伝強化に努めています。

果実の重点推進事項

  1. リンゴフェザー苗の安定供給による高密植わい化栽培の普及
    主力品種を中心に、地域の特性に応じた信仰品種への転換を図り、国の支援事業の活用しながら高密植わい化栽培を推進しています。また、フェザー苗に必要なM9台木の安定生産や、フェザー苗の事前の受注生産体制をさらに整え、令和7年春の定植分としては、県全体で約7万本の供給を予定しています。
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    フェザー苗の圃場
  2. 集荷対策の実施
    例年、気象の影響により、特にリンゴのサビ果や斜形果、着色不良果等の発生が多いため、専用リーフレットや手提げ袋を作成し、下位等級品の優位販売に努めています。また、特に晩生種の時期には、継続的に実施している集荷対策のチラシの配布に加え、ラジオ放送で早めの出荷を呼び掛けています。
    ブドウにおいては、生産量が伸びているシャインマスカットの荷造り省力化対策として、一部で簡易荷造りによる集荷を行い、年末年始需要に向けた房売りや粒パックなど少量規格による販売の仕掛けを行っています。
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    集荷対策のチラシ

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    シャインマスカットの簡易荷造り
  3. 「ぶどう三姉妹®」「りんご三兄弟®」のブランド展開
    「ぶどう三姉妹®」「りんご三兄弟®」のブランドPRとして9月9日(月)、長野県の阿部守一知事、全農長野運営委員会の神農佳人会長が出席し、大果大阪青果(株)においてトップセールスを盛大に開催しました。阿部知事は「消費者の皆様に長野県果実の美味しさを伝えていただけるとありがたい」とお願いし、神農会長は「ぶどう三姉妹、りんご三兄弟をよろしくお願いします」とPRし、長谷川県本部長を加えた3名がぶどう三姉妹®と長野県産果実の配布を行いました(=本誌10月号)。また、9月25日からの2週間にわたり全農グループの飲食店『みのる食堂』『みのりカフェ』銀座三越にてぶどう三姉妹®フェアを開催し、スイーツなどのコラボ企画を展開しました。
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    りんご三兄弟®の売り場

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    ぶどう三姉妹®の売り場

花き事業の進捗状況

花き生産販売状況

花の需要は、盆、春・秋彼岸などの物日需要期はもちろん、コロナ禍を経て、通常期も個人・家庭消費が定着したといわれています。一方、国産花きの生産基盤の縮小により市場への入荷量が需要を下回る場面が増えています。

今年の生育は、春先のシャクヤクが昨年、一昨年のような春先の低温の被害が小さく順調でした。夏秋品目であるキク、カーネーション、トルコギキョウは高温による短茎開花や病気の発生により数量が減少しました。近年県内で作付けが増えているアルストロメリアは、シーズンをとおして昨年を上回る出荷量となっています。販売面では生産コストの上昇を受け、販売単価を上げる交渉とあわせ、生産者がどのように花きを生産しているかなど、美しい花の生産背景を付加価値として伝えられる情報提供資料を作成しました。

また、本会では長野県が生産量日本一を誇るアルストロメリアの、生産振興から優良種苗の確保・供給に注力しています。今年度は、新品種の育種・買付のためヨーロッパにある種苗会社を訪問し、需要に基づく花色などの商品性や、品種による生産性、次年度から数年後に導入する品種を見据えた要望などについて、現地の育種家(ブリーダー)と意見交換を行いました。
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品種選抜圃場から候補を選ぶ

花きの重点推進事項

  1. 物流対策・コスト低減など
    アルストロメリアに続き、カーネーションの全県下統一の出荷規格と出荷容器の検討を進めています。出荷規格の統一により、①系統共販の優位性ともいれるロット販売を有利に進めること、②出荷容器はパレット流通も見据えた上でコスト低減を両立させること、の2点を目指しています。
  2. 生産販売提案の取組み強化
    アルストロメリアは出荷規格統一の成果として、主要4JAが合同で実需者への販売を行っています。実需者のユナイテッドベジーズ(株)との取組みは今年で11年目となり、予約相対と年5回の店頭宣伝会を行っています。全農長野とJA担当者も販売応援に入り、実需者や店頭で消費者から生の声を聴く貴重な機会にもなっています。
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    カーネーション出荷容器検討会

消費宣伝事業の展開

5月に近畿大学(=本誌7月号)、10月には名古屋ウエディング・フラワービューティー学園(=本誌11月号)で花育を実施し、学生が長野県産花きを使ったブーケやフラワーアレンジメントの政策を体験しました。花育では花の使い方、飾り方、長野県産花きの紹介をとおして、家庭消費への波及と花への興味関心の向上を目的としています。今回は初めて大学生と専門学生へ向けた花育となり、若い世代へPRすることができました。
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近畿大学での花育

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名古屋ウエディング・フラワー・ビューティー学園での花育

9月5日~6日には花きの消費宣伝・消費拡大と、生産者の技術研鑽を目的として「第54回信州フラワーショーサマーセレクション」を開催しました。ラジオや新聞、ポスターなどにより事前告知を強化し、例年よりも来場者を増やすことができました。今冬の「ウィンターセレクション」では、花育の開催を調整中です。

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