(1)制がん効果
ブナシメジにも、強い制がん作用、がん転移抑制効果のあることが実証され、そのメカニズムもエノキタケと同様免疫機能を高めることによるものです。有効成分は分子量3万以上の多糖体で、構造解析からβ−(1→3)−D−グルカンであると推定されます。
さらに、プロモーターにTPA、イニシエターにDMBAを用いた二段階発がん実験において、発がんプロモーション抑制効果のあることが確認され、その抑制効果成分として、「ergosterol」 と「ergosterol
peroxide」を分離しました。
”ブナシメジ熱水抽出物”の投与により
腫瘍増殖が抑制されたマウス
”ブナシメジ熱水抽出物”を投与しなかった
場合に腫瘍が増殖したマウス(対照群)
(2)抗酸化作用
抗酸化作用とは、がんや老化に伴って発生する動脈硬化、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の原因となる活性酸素を除去する働きのことです。
ブナシメジ子実体熱水抽出物を投与したマウスでは、血漿中のラジカル捕捉活性(抗酸化活性)が増加しており、これは高分子画分(タンパク)の誘導に起因することが示唆されました。また、血漿中の過酸化脂質量も、ブナシメジ摂取により低下する傾向を示しました。
(3)抗アレルギー作用
ブナシメジのエチルアルコール抽出物について、マウスを用いたオキサゾロン誘発遅延型(W型)アレルギーに対する効果を検討したところ、二次感作前3日間の経口投与で、高い抗W型アレルギー作用を示しました。
さらに、抗W型アレルギー成分とその作用機構について検討を進めています。
前駆脂肪細胞から分化した脂肪細胞はインスリンと良く反応して代謝機能が活発となって、糖分や脂肪を血液中から取り除く働きがあります。しかし、その働きが低下すると、血液中に糖分や脂肪が貯まり、糖尿病や高脂血症となってしまいます。
県産のモモ、リンゴ、プラム、巨峰およびアンズで脂肪細胞を多く作り出す(分化促進)作用を検討したところ、5種類全てのエーテル画分に活性が認められ、中でもモモが一番強いことが確認されました。