長野県はエノキタケの生産量が日本一。全国シェアの6 0 % を占める大産地です。では、エノキタケはどうやって作られているのでしょうか。
1. 培地作り(栽培スタート!1日目)

トウモロコシの芯を粉砕にしたコーンコブミールや、米ぬか、ふすまなどの栄養源をブレンドしたものに水を加えながら、大きなミキサーで均一になるように混ぜ、培地を作ります。
2. 瓶詰め

培地はエノキタケ専用のプラスチック瓶に詰め、表面に穴を開けてフタをします。この穴は、エノキタケの菌の呼吸をしやすくするとともに、活動を活発にするための工夫です。
3. 殺菌

培地を詰めた瓶に、約4時間かけて高温蒸気を送り、圧力を加えながら最高約120℃の高温で殺菌します。きのこ栽培では農薬を一切使わないため、殺菌はとても大切な工程です。
4. 接種(栽培3日目頃)

殺菌後の瓶内の温度が15度以下に安定したら、エノキタケの菌を植えつけます。接種は他の雑菌が入らないよう作業を行います。
5. 培養

温度・湿度・二酸化炭素量が管理された培養室で、20日ほどかけて菌糸を培養します。
瓶の上の方から白くなり始め、菌糸がまわって瓶全体が白くなれば培養は完了です。
6. 菌掻き(栽培22日目頃~)

培養が終わったら培地表面の菌糸を一旦掻き取り、菌に刺激を与えて発芽を促す「菌掻き」を行います。
機械で表面の種菌を削り取り、水を加えて生育を促します。
7. 芽出し

菌掻き後の瓶を室温14〜15度、湿度98%の真っ暗な生育室に入れ、瓶の表面が乾かないように湿度を細かく調整すると、だいたい5 日から1 週間くらいで芽が出はじめます。
8. ならし・抑制(栽培30日目頃~)

芽が出揃ったところで、室温、湿度を下げ、エノキタケの生長に適した低い温度にならします。
また光を当てることで、傘の形成を促進し茎生長を揃える、「抑制」を行います。
9. 紙巻き(栽培32日目頃~)

エノキタケが2〜3cm程度伸びたところで「紙巻き」を行います。これはエノキタケが横に広がらずに真っ直ぐ育つよう、また外側が乾かないよう、生長を助ける役割をします。
10. 生育・光抑制

「紙巻き」をしたエノキタケは、最終段階の「生育工程」に入ります。最初の3日間は、室温4〜5度、湿度は95%。その後、生育状況を見ながら、再び光による抑制を行います。
▽生育・光抑制の動画はこちら
ここがポイント!
室温を3度、湿度を95%から90%へと徐々に下げながら光で抑制することで、「水きのこ」といわれる水分が多すぎて透き通っている軸が、白くしっかりとした軸に生長していきます。
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11. 収穫(栽培45~50日目頃)

収穫は培地作りから約45〜50日後に、手作業で行います。まだ収穫には早い、と判断されたものは生育室へと戻され、きちんと生長したものだけを丁寧に収穫していきます。
12. 包装・梱包・出荷

その後、人の目で品質や、異物が付着していないかなど一つ一つ最終検査、計量し、クリアしたものだけが包装されて消費者のもとへ出荷されています。