長野県はぶなしめじの人工栽培発祥の地であり、生産量は、全国1 位を誇ります。
では、長野のぶなしめじはどのように栽培されているのでしょうか。
1. おが粉の加水堆積

ぶなしめじの栽培は「おが粉」を使います。
杉を中心としたおが粉を、少なくとも半年以上は堆積させて、加水しながらアクを抜き、熟成させます。
▽おが粉の加水堆積の動画はこちら
ここがポイント!
室温15 〜16℃、湿度98%の生育室で、外気やクーラーの風に直接当たらないようビニールを掛けて大切に管理されたぶなしめじは、10日ほどで芽が出揃います。「芽出し」で勢いのある芽が数多く出ると、粒の揃ったボリュームのあるぶなしめじになります。
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2. 培地作り

充分に熟成したおが粉をふるいにかけて、大きすぎるものや木の皮を取りのぞき、培地を作ります。米ぬかや大豆の皮などの栄養分と水を加えて、かき混ぜていきます。
3. 瓶詰め

仕上がった「培地」を専用のプラスチック瓶に詰め、培地の表面に穴を空けてフタをします。
穴をあけるのは、菌が呼吸をしやすくし、活動を活発にするための工夫です。
4. 殺菌

培地を詰めた瓶を高温殺菌釜にいれ、約7時間かけて殺菌していきます。高温殺菌により、ぶなしめじ以外の菌が繁殖しないよう完全に滅菌します。
きのこ栽培では農薬を一切使わないため、殺菌はとても大切な工程です。
5. 釜出し・冷却

殺菌の終わった瓶を高温殺菌釜から出し、約12時間かけて外気で冷まし、その後は、冷房を使って1日かけて13度まで冷却していきます。
瓶の外側と内側の温度差がなくなるまで冷まします。
6. 接種

見た目、味、食感、香り、栽培のしやすさなどを研究して開発されたぶなしめじの菌を、冷却した培地に植えつけます。
接種は他の雑菌が入らないよう注意して作業します。
7. 培養・熟成

接種が終わった瓶は、室温21度、平均湿度が50%前後に管理された部屋で約30日かけて菌を培地全体に繁殖させます。(培養)
培養後は、およそ60日くらいかけて熟成させていきます。
8. 菌掻き

熟成が終わったら、瓶のふちの培地をいったん掻き取り、菌に刺激を与えて発芽を促します。菌掻きが終わった瓶には水を加え、暗い生育室へ入れます。
9. 芽出し

生育室では、乾燥防止のため、小さな穴のあいたビニールシートをかけ、室温15〜16度、湿度約98%で約10日ほどかけて芽を出します。
生育の揃いが良く、勢いがある良いぶなしめじに育てます。
10. 生育

芽が出た後、ある程度育ったところで光を当てて刺激を与え、傘の生育を促します。
収穫までの約7〜10日間、15分間隔で光を当てることを繰り返し、形の良いぶなしめじに仕上げていきます。
11. 収穫

軸がしっかりとし、黒っぽかった傘が薄茶色になってくると収穫のサインです。収穫専用の道具で、一本一本、丁寧に収穫していきます。
12. 包装・梱包・出荷

収穫したぶなしめじは、人の目で最終検査し、重さを量りながら包装していきます。
傘の割れや欠けなどがないよう品質にもこだわって出荷しています。