JA全農長野生産資材課は本年度より県内の防除業者と提携し、ドローン(マルチローター)による農薬等の散布請負事業を開始しました。
ドローンによる防除の実施背景
本県の米の一等米比率低下は、温暖化や日照不足のような気象条件を要因とすることがありますが、病害虫による被害が原因の第一位とされています。そのための防除の手段として、一部の地域ではラジコンヘリによる空中散布防除が行われていますが、山間地など地形的な課題や住宅地では騒音などの課題で実施できない地域や圃場があります。
また、麦の生産場面では、本件特有の冷涼な気候により低く抑えられていた病害リスクが温暖化によって高まり防除を求める声が増えていますが、散布のタイミングが田植えと重なるため、困難となることが危惧されています。
このような課題や農業従事者の減少、高齢化に対応するため、稲作を中心に小回りの利くドローンによる農薬散布が期待され、散布請負の需要も年々拡大しています。
この他にも、果樹園での冬季の融雪剤散布、ハウスの遮光資材処理など、特殊な分野での要望も出てきています。
事業の目的
これらの課題を解決するため、生産資材課では、ドローンによる農薬等の散布請負事業を行うことで、ラジコンヘリによる共同防除を補完し、信頼性の高い防除を行い、組合員の農業生産支援・安定生産に貢献できるよう本事業を開始しました。
実施方法
JAを窓口として、組合員からドローンによる農薬等の散布申込を受付け、委託先へ発注します。
生産資材課では、国や県のドローン散布基準に加え、独自の安全管理規則を定めこれに基づいて実施します。
委託先(散布業者)は、信濃町にある(株)グリーバルリングで、所属するドローンオペレーターは、社独自のハードルの高い試験に合格したメンバーで構成されています。また、同社は全国各地の県行政機関の試験や防除講習会も実施しており、全農他県本部とも連携し請負防除を行っています。
本年度の実績と今後の展望
本年度は、県下の水稲・麦の圃場76ヘクタールで請負防除を実施しました。また、キャベツの全生育期間における防除をドローン散布で代替する試験を実施し効果を確認することができました。
次年度は、麦の病害防除を中心に散布請負拡大を予定しており、今後は、園芸作物分野での拡大も進めて参ります。

